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2017.04.05

第30回HCC賞審査会、4/15(土)に金沢で開催!

こんにちは、宮保です。
ブログ当番の順番を無視して今回は
北陸コピーライターズクラブ(HCC)
からのお知らせです。

HCCでは、来週4/15(土)に
金沢市民芸術村パフォーミングスクエアにて
HCC賞審査会を開催します。

hcc2017po
(北陸コピーライターズクラブでは、
この1年に北陸で制作・発表された新聞・雑誌広告、
TVCM・ラジオCM・WEB動画、WEBサイトやその他の
広告広報媒体を募集してコピーや企画を審査し、
優秀な作品にHCC賞を贈っています)

今年の招待審査員は、TCC会長の仲畑貴志さん!
しかもスペシャルゲストには
昨年招待審査員を務めていただいた髙崎卓馬さん!
今年は第30回の審査会にふさわしく、
すごいことになりそうです。

現在、エントリー作品を募集中です。
もちろんその広告のコピーや企画に携わった方なら
HCC会員でなくても応募できます。
エントリーは4/12(水)24時まで!
詳しくはHCCのWEBサイトでご確認ください。
http://www.hokuriku.cc/

また当日は、13時より審査が一般公開されます。
どうぞ遊びにきてください。
北陸三県の広告をいろいろ見られて楽しいですよ。

さらに16時ごろからは
仲畑さんと髙崎さんのトークショーも行われます。
もちろん観覧は無料です。ぜひぜひ。

皆さまのご応募&ご来場、お待ちしております!

Author : miyabo

2016.12.05

[極私的版]心にのこる名作コピー その6

こんにちは、宮保です。
僕の好きなコピー、
心に残るいいコピーを
気の向くままに語っています。

いきなり話が脱線しますけど、
SNSとかWEBサービスでユーザーIDを登録するとき、
簡単な文字列で済まそうとすると
「そのIDは他のユーザーによってすでに使われています」
って言われてしまう場合があります。

要は早いもん勝ちで、
短くて単純な文字列ほど誰かに先に取られています。
その場合は、やむなくもっと長い文字列に変えて
他の人に使われてないものを探すことになります。

何を言いたいかというと
「言葉もこれと似たようなものなんじゃないかなあ」
ってことで。

たとえば日本語なら、すごく単純に言ってしまえば
100程度の音の組み合わせで成り立っています。

原始ヒトが言葉を使い始めた時、
それはつまりモノに名前をつけ始めた時、
短くて単純な音の組み合わせから順番に
使われていったのではないかなあ、と。

逆に言えば、その名前が短く音が単純であるほど
本質的なところでヒトにとって大切だったり
重要だったりするものなんじゃないのかなあ、
という妄想をしたことがあります。

たとえば、手(て)、目(め)、歯(は)。
たとえば、木(き)、葉(は)、根(ね)、実(み)。
たとえば、日・火(ひ)、天・雨(あま・あめ)、地・土(ち・つち)。
それから、死(し)とか。愛(あい)とか恋(こい)とかも。
人が生きることに深く関わるようなものや
ずっと昔から身近にあるものの名前はだいたい短いですね。

まあ戯れ言には違いないのですが
人にとって重要なものほど名前がシンプルというのは
あながち的外れな話でもない気がします。
だってもし「手」の呼び名が
スリジャヤワルダナプラコッテだったら
毎日すごいめんどくさいでしょうし。

というわけで、前置きが長くなりましたが
今回の名作コピーは
———
ち、
のち、
いのち。
———

です。

2013年、日本赤十字社の献血促進ポスターです。
コピーを書いたのは安藤真理さん。
このお仕事で2015年に
TCC賞審査委員長賞を受賞されています。
一度ご挨拶だけしたことがありますが
その時いただいた名刺には
「コピーライター」の文字はありません。
安藤さんはデザイナーの方です。

すごく単純で、短くて、
ともすればただの言葉遊びに見える。
こういうものを、プロのコピーライターなら
避けようという意識が働くと思うんです。
少なくとも僕はそうです。

言葉は、たくさんの単語を組み合わせることで
より複雑なことや繊細なことまで
表現することができます。
で、その複雑さや繊細さを思うように操ることを
プロであることの拠りどころに
してしまいがちだなあと時々思います。

ち、のち、いのち。

まったく単純で、ほんとに短くて、
でも広告として伝えたいメッセージを
しっかりと訴えて印象づけている。
こういう仕事、すごく素敵だなあと思います。

Author : miyabo

2017.01.05

今年もよろしくお願いいたします。

あけましておめでとうございます。
ワザナカは本日より2017年の営業開始です。
本年も何卒よろしくお願いいたします。

さて、新年の初めに
新しいワザナカHPを公開しました。

僕らがどんな会社であるか、
どんな仕事をしているのかを物語るのは
やっぱり制作実績だろうということで
WORKSを中心としたサイトに
リニューアルしました。
(もちろんすべての制作実績を
お見せできるわけではないのですが)

もうひとつ、ワザナカそれぞれのメンバーが
どんな仕事する・している人間かも
わかるようにしています。
「ワザのナカマ」で「ワザナカ」なので、
今年はこれまで以上に
メンバーの個が立つチームになりたいな、
と思っています。

というわけで、新しいHPを
ときどき覗いていただけたら嬉しいです。
今年もワザナカをよろしくお願いいたします。

 

Author : miyabo

2016.06.16

[極私的版]心にのこる名作コピー その5

こんにちは、宮保です。
僕の好きなコピー、
心に残る名作コピーを
勝手気ままに語っています。

コピーなんてものは、
広告自体がそうである以上
どうしたって「使い捨て」なのですが
ある種のコピーは
時が経って広告としての役割を終えていても
なにやら名言めいたものとして心に残り
折に触れて頭の中に浮かんできては
人を救ったり励ましたりします。

つうことで今回は僕が
仕事で難儀してる時(今日もまたそうでした)に
ちょくちょく思い出しては励まされるコピーです。
いくつかありますが、これにします。

———
人は、
書くことと、消すことで、
書いている。

———
20111018053315.png

トンボ鉛筆の新聞広告、コピーライターは故・岩崎俊一さん。
2006年らしいです。もう10年前なんですね。
ボディコピー全文打ちます。

———
人は、
書くことと、消すことで、
書いている。

消しゴムを使う人を見ると、あ、この人はいま、一生けんめい
闘っているんだな、と、なんだかちょっと応援したくなります。
自分の想いを、正しく、わかりやすく伝えるにはどう書けばいいのか。
それと真正面から向きあい、苦しみ、迷いながら、でもなんとか
前へ進もうともがいている。消す、という行為には、人間の、
そんなひたむきな想いがこもっている気がしてなりません。
文房具づくりにたずさわって、まもなく100年。トンボは
「書く道具」と同じくらい、「消す道具」を大切に育ててきました。
日本の定番と言ってもいい消しゴム。品質をみがくことで、
大きな市場を切り開いた修正テープ。そこにあるものを、すばやく、
美しく、カンタンに消し去ることで、この世にほんとうに
生まれて来なければならなかったものが姿をあらわしてくる。
消すことは、また、書くことである。と信じるトンボです。
株式会社トンボ鉛筆
トンボが動いている。
人が、何かを生み出している。
———

もちろんどんな仕事だって大変だと思いますが
労働としての負担が重い軽いとはまったく次元の違う話で、
「書く」という行為は、もっとも苦しい作業の
ひとつじゃないかと僕は思っています。

他の書き手は知りませんが、僕は文章を書いている最中に
楽しいと思ったことはたぶん一度もありません。

それでもやっぱり言語は、
互いに閉じ合ってしかいられない
人と人をつなぐ唯一の方法であって、
文章を書くという行為は、
自分の脳味噌の中に閉じ込められた何かを
相手の脳味噌の中にできるだけ正確に再現しようとして
試行錯誤しながら記号に変換していくことだと思うのです。

およそ物を書くことを生業としている人間で、
このコピーを読んで何も思わない人間がいるでしょうか。
僕は、自分が苦しみながら書いていることの意味を
あらためて大先輩に諭してもらっているような、
激励されているような気持ちになります。

広告コピーという観点でこれがすばらしいのは、
「消す」の意味を転換して新しい価値を与え、
そしてそれを商品や企業の価値へと落とし込んだ点です。
「消す」は、その直前までの作業の失敗や否定、
やり直しを示唆するネガティブな言葉のはずが
見事にポジティブなものへと反転させてしまいました。
そしてそれを、消しゴムや修正テープという商品の価値、
またそれらを作ってきたクライアント企業の価値へと
きちんと昇華させている点も、さすがの一言です。

———
そこにあるものを、すばやく、
美しく、カンタンに消し去ることで、この世にほんとうに
生まれて来なければならなかったものが姿をあらわしてくる。
———

ここの部分なんて、もう「参りました」というしかないです。
なんというか、自分ではどれだけ長い時間
「書く」と「消す」を繰り返しても、
こんな一文が出てくる気がまったくしないですね。

文章って、書いている最中は苦しいだけなのですが
自分のだろうが他の誰かのだろうが
書かれて世に出た文章がこうして
人の心を動かしたり、ずっと心に残ったりするから
やめられないんだろうな、と思います。
ではまた。宮保でした。

Author : miyabo

2016.02.18

[極私的版]心にのこる名作コピー その4

こんにちは、宮保です。
ごく普通の41歳です。

さて、僕の好きなコピー、
心にのこる名作コピーを
勝手気ままに語っています。

今回は
—-
ふつうの17歳なんか、ひとりもいない。
—-
です。

2000年、KDDI(au)の広告です。
コピーライターは秋山晶さん。
そう話す同業者も多いと思いますけど
僕がもっとも尊敬するコピーライターの一人です。
余談ですが、2011年に初めて秋山さんにお会いできた夜の
記憶がほぼありません。ド緊張してたからです。

さておき。僕は
当たり前のことをただまっすぐに言って
でもその時代に生きる人間をハッとさせる、
そんなコピーに憧れます。

2000年あたりは17歳が悪い意味で
世間の注目を集めた時代でした。
見ず知らずの主婦を殺害して
「人を殺してみたかった」と語った17歳。
ネット掲示板に犯行予告を書き込んで
バスをジャックし乗客を殺害した17歳。
ビデオ屋に手製爆弾を投げ込んだ17歳。
たった一人の家族だった母親を撲殺した16歳などなど
17歳前後の少年による事件が立て続けに起こります。
2000年の17歳が、その3年前に社会を震撼させた
神戸連続児童殺傷事件の少年Aと
同い年だったことも報道に拍車をかけて
「今の17歳は理解の及ばない存在なのかもしれない」と
時代の空気が導かれていきました。

「今の17歳は普通じゃない」
「いやいやほとんどの17歳は普通だろ」と
あちこちで語られる時代に投げかけられたコピーが
この『ふつうの17歳なんか、ひとりもいない』です。

17歳が異常かどうかではなくて、
そもそも「17歳」という集団なんか実在しない、と
たくさんの人間をひとくくりで語るんじゃない、と
想像力を失いかけた世間に投げかけたのでした。
ああ、なんてかっこいい。

もちろんかっこいい表現といい広告は
イコールではありませんが
携帯新規加入の主要ターゲットは18歳であり
その年代に届ける広告という意図も明白です。
(まあ、こうしてターゲットとか言ってしまうことも
人間をひとまとめにする行為なんですけども。。)

時代に普遍を投げかけて、ちゃんと機能する広告。
そういう仕事にも、それができる大人にも憧れますね。
ではまた。宮保でした。

Author : miyabo