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2013.01.21

つづきまして…

こんにちは、佐和子さんと同い年のアラ○ォー砂原です。
この年齢は女性の生き方について考える通過地点かもしれない…
などと佐和子さんのブログを見て感じました。
なぜなら今日私がここで紹介しようと思った本のタイトルがズバリ
$www.wazanaka.jp
手に取るのが恥ずかしいタイトルですが、
最近ちゃんと料理していない後ろめたさと、
ウチの家庭における男女不平等の横行ぶりに腹立たしくなる
イライラサイクルがまたやってきたこともあって、
聡明な考えとやらと聞いてみたいと思い、ついタイトル買いしてしまいました。
1976年に出版されたベストセラーで、
最近になって復刊されたらしいのですが、
いわゆるレシピ本ではなく、彼女の生きる・働く思想が「料理」という行為に置き換えられながら語られている痛快なエッセイでした。
当時の桐島さんはフリージャーナリストとしてバンバン活躍していた時で、未婚の母として仕事をしながら3人の子供を育て上げた、(桐島かれん・ノエル・ローランドのお母さん!)たくましくて知的で、この時代においてはかなり先進的な女性だったのではないでしょうか。
ウーマンリブの時代風潮は感じるものの、
全く古く感じない、今読んでも、というより今読めて良かった、という感じで。
内容をかいつまんでみると…
●料理は、個性や才能がメリメリと生きる創造的で知的な活動である。
●料理には、「果断な決断と実行」「大胆で柔軟な発想力」「機敏な運動神経」「冷静な判断力」「鋭い洞察力」「豊かな包容力」(ほか色々…)が必要で、つまり料理によって働くこと、生きることの基礎を学ぶことができる。
●料理とは、自分の食べたいものを何でも作れるという自由を手に入れること。
●つまり料理は、女性がより有能に、より自由になるための行為。
というようなことを、下記のようなきびきびとした文章でぐいぐい説得してきます。
公害と資源危機を生き抜くには食物の安全性や経済性に対する『鋭い洞察力』が必要だ。大根を一本買うと決めた瞬間に、今日は大根おろし、明日はふろふき、残りは明後日のおみおつけと最後の最後の使い道まで頭に走るようでなくては困る。

ちっぽけな核家族に決まりきった飼料をあてがうのが精いっぱいの現代の主婦たちには、大家族や居候でごった返す家をこともなげに切り回していた往年の主婦の『豊かな包容力』は残っていない
 料理というのは、きわめて知的な作業であるばかりでなく、激しい肉体労働でもあるから『機敏な運動神経』と『たくましい体力』が重要である。

 以前に誰かがうまいぐあいに組み合わせてくれたレディメードの言葉にばかりたよる安易さは、その人の思想まで安っぽく陳腐なものにしてしまう。 おびただしい言葉があるように、おびただしい食物があり、それをどう選んでどう組み合わせればいちばんおいしいかと、こまやかに考え、くふうするのが料理というものである
自分にとっては耳に痛い言葉も多々ありますが、確実に納得させられてしまいます。
台所に立つ気持ちを鼓舞してくれる1冊。
またイライラサイクルがやってきたら読み返そうと思います。

Author : sunahara