2015.08.03
[極私的版]心にのこる名作コピー その1
こんにちは、宮保です。
たまにここで自分の好きなコピー、
心に残る名作コピーについて
勝手に書くことにしました。
第1回目は、
「極私的版」と言いながら
とても有名なコピーですけども
読むと必ず泣いてしまう
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死ぬのが恐いから
飼わないなんて、
言わないで欲しい。
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です。
僕なんかもうこの時点で脊髄反射で半ベソですね。
2004年、日本ペットフード株式会社の広告。
コピーライターは児島令子さんです。
ボディコピー全文打ちます。
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死ぬのが恐いから
飼わないなんて、
言わないで欲しい。
おうちを汚すから飼わないというなら、
犬はお行儀を身につけることができる。
留守がちだから飼わないというなら、
犬はけなげにも、孤独と向きあおうと努力する
かもしれない。貧乏だから飼わないというなら
犬はきっといっしょに貧乏を楽しんでくれる。
だけど・・・死ぬのが恐いからって言われたら、
犬はもうお手上げだ。すべての犬は、永遠じゃない。
いつかはいなくなる。でもそれまでは、
すごく生きている。すごく生きているよ。
たぶん今日も、日本中の犬たちはすごく生きていて、
飼い主たちは、大変であつくるしくって、
幸せな時間を共有しているはず。
飼いたいけど飼わないという人がいたら、
伝えて欲しい。犬たちは、
あなたを悲しませるためにやっては来ない。
あなたを微笑ませるためにやって来るのだと。
どこかの神様から、ムクムクしたあったかい命を
預かってみるのは、人に与えられた、
素朴であって高尚な楽しみでありますよと。
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ね、とってもいい文章でしょ?
…なんて言うと思いますか。
「あざといなあ」と読むたびに思います。
でも泣いてしまうんです。そこが弱点だから。
僕がこのコピーを好きなのは
琴線に触れるからって理由がないとはいいませんが
もっとも狙うべき人のもっとも狙うべき弱点を
きちんと突いているからだと思います。
ペットフードの需要拡大を目指すなら
飼いたいのに飼ってない人を狙って
飼えない理由を消してやるのがいちばん近道です。
泣かせたり笑わせたり、読んだ人を感動させる文章は
ただそれだけで優れた文章だと思うけれど
広告コピーに限っていうなら
感動はあくまで手段であって目的にはならないよ、
ってことをいつも思い出させてくれるコピーです。
(死んだウチの犬のことも思い出すけど)
だから「あざとい」ってとてもいい意味で、です。
ではまた。宮保でした。