2015.08.26
[極私的版]心にのこる名作コピー その2
嫉妬。
それは人間が持つ感情のうち
もっとも醜いもののひとつ。
こんにちは、宮保です。
僕の好きなコピー、
心に残る名作コピーを
自分勝手に語っています。
今回は、僕がたぶん今まででいちばん
「初見で嫉妬したコピー」です。
コピーの好き嫌いを決める基準の中で
少なくとも僕にとっては
嫉妬はなかなか大きなポイントのひとつです。
「どうしてこれを思いついたのが
自分ではないのかムキー!」ってやつですね。
ということで、今回の名作コピーは
———-
宅配は、ネコである。
———-
です。
ああ、なんてキャッチー。
ああ、なんてわかりやすい。
何より端的にして的確。ムキー。
広告主は、言うまでもなくヤマト運輸。
コピーライターは米澤克雄さんで
2009年にこのコピーで
TCC最高新人賞を獲得されています。
何に嫉妬しちゃうかってまず
これを思いつくために必要な材料は
とうの昔から自分の手元に揃っていた、
ってことですね。
いや、もちろん発注すら受けてないんですけど。
「我輩は猫である。」という
おそらく日本人なら誰でも知ってるフレーズが
たった2音(2音かよ!)変えただけで
クライアントが競合他社をぶっこ抜く
とても機能的なコピーになっています。
広告主はどこだって「ウチが一番」と言いたいわけですが
そのまま言って伝わるほど世間は単純ではない
…はずなのに、「宅配便ならウチでしょ」と
これ以上ないくらい簡潔に言って人々に印象づけちゃった、
というのがこのコピーのお見事なところです。
飛脚でもペリカンでも、他の何でもこうはいきません。
それを発見して世に出されたことに
もう賞賛と嫉妬が心の中に渦を巻きますね。
嫉妬は醜いですが、
コピーに関してはそれも楽しいです。いや悔しいです。
ではまた。宮保でした。