2010.11.02
影響力の武器に影響される
うちの奥さんはジャポンのファンです。
ジャポンがカポエラをやっていることを知って
「すごーい」と感動していましたが
彼女はそれをムエタイだと心から信じ切っていました。
皆様こんにちは、みやぼです。
僕も、秋の夜長の読書ネタで。
数年前に読んだこの本を
今また読み返しています。
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ 社会行動研究会
人はどうして
(ときにそれが本意ではない場合にも)
「YES」と頷いてしまうのか?
その時いったいどういう心理作用が働いているのか?
そのメカニズムを6つに分類して
それぞれ豊富な事例を交えつつ紐解いていきます。
とても乱暴な言い方をすれば、
僕の仕事はそれを見る消費者なりクライアントなりに
「YES(そうだね!)」と思ってもらうことだと思うのです。
「いいね!」と思ってもらうことは、デザインでも写真でもできる。
でも「そうだね!」と感じて頷いてもらうのは
企画にしろコピーにしろ、言葉の出番なんじゃないかなと思います。
…と、仕事の話に結びつけてみましたが
この本は単純な読み物としても十分おもしろいです。
興味がある方には読んでいただけばよいとして、
この本に載っている、もしかしたら役立ちそうな小ネタをひとつ。
もしあなたが街の雑踏の中で
発作を起こすか誰かに刺されるかなどして
街行く見知らぬ人たちに助けを求める場合。
「誰か助けてください」と言うよりも、
「そこのあなた、助けてください。救急車を」と
特定の人に呼びかけ、具体的な行動まで促すほうが
援助を受けられる可能性は格段に高くなるそうです。
自分がそこを通りがかった人間だったらと想像すれば、
確かに後者の方が「YES」と言ってしまいそうです。
こんな事例とその原理がたくさん載っています。
その心理メカニズムを利用した広告の事例(アメリカのですが)も
ちょこちょこと出てきますので、未読ならぜひ。
おすすめです。